極軸望遠鏡を使って赤道儀の向きの調整とアライメントを行います。
(9)水平出しを行います。
水平出しの前に、鏡筒とウェイトのバランスを見ておきましょう。
さて、水平出しは必須ではないのですが、少し手間をかけてこれをやっておくだけで極軸あわせやアライメントでの星のサーチがかなり楽になります。
まず、三脚台座と赤道儀本体を止めている台座下ネジをゆるめます。
台座と赤道儀にすき間つくり、そこに鉄の丈夫なプレートを差し込みます。私の場合、写真のようにバランスをとるために左右2本差し込んでいます(プレートサイズ170mm×30mm厚み3mm)。
鉄のプレートを挟み込めたら、安全のために台座下ネジを締めて三脚と赤道儀を固定しておきます。
その上に水平器を載せて水平を見ます。
三脚の脚を伸縮させてほぼ水平に合わせます。神経質にあわせる必要はありません。
おおむね水平が出たら、台座下ネジをゆるめプレートを抜いてから、再び三脚と赤道儀をしっかり固定します。
水平出しは三脚を立てたときにあわせればいいじゃないか?と思われるかもしれません。
しかし、何も載せない状態で水平を出した後、重量のあるものを載せていくと三脚がたわんだり、ずれたりして最終的に水平でなくなってしまったりします。
実際の鏡筒やウェイト、その他機材を載せて、その重量に三脚が安定したところで水平を出すのが良いと思われます。
(10)極軸合わせをします。
毎回、ちゃんと水平出しをしておくと、北極星の高さはさほど変わらないので、前回使用したときの高さ位置がほぼそのまま使えることになります。つまり高さの調整をせずに済むわけです。
後は東西方向を合わせれば極軸望遠鏡をのぞくと迷うことなく北極星を導入できます。
そのまま微動ネジを使って極軸を合わせればOKです。
水平出しをしていないと、毎回、軸方向がでたらめになってしまうので、極軸望遠鏡への北極星の導入で四苦八苦することになります。
(11)赤道儀をセットアップポジションにします。
この印合わせもちゃんとしておきましょう。神経質になる必要はないですが、マーカーがずれていることのないように。
マーカーがずれていると、アライメントでの導入時に目標星が視界から大きく外れ、サーチがとても面倒なことになります。
(12)アライメントを行います。
赤道儀を立てるときに一番時間のかかる作業です。
赤道儀の電源を入れてアライメントを行います。
私の場合、改造コントローラとSkySafari4 Plusを使って、赤道儀側の現在日時、緯度経度情報を初期化しています。
SkySafari4 とコントローラをBluetoothで接続すると、自動的にSkySafari4側から現在日時とGPSの緯度経度がコントローラに送られてきます。
おかげで、わずらわしい入力を省略できます。
次にアライメントの調整です。いつもは2stars+追加1星でアライメントを行っています。
アライメントの手順は基本的に、
- アライメント目標星へ Goto。
- 40mmのアイピースを使って目標星を探す。
- おおむね視界中央に持ってくる。
- 12mmのガイドアイピースに切り替える。
- レチクル中央に目標星を入れる。
- アライメント確定
最初のころ26mmでやってたんですが、サーチのしにくさいにイライラして40mmを買いました(^_^;)
ところで、アライメントを行うとき、自動で目標星の方へ向きますが、このときの角度移動量は
「赤道儀が極軸方向を向いており、かつ水平に置かれていると仮定した場合のセットアップポジションからの相対量」
となっているようです。
つまり、極軸方向がずれていたり、赤道儀が大きく傾いていたりすると、あさっての方向に望遠鏡が向いてしまいます。
そこから、目標星を見つけるためにコントローラで微速移動しながらサーチするのはとても面倒くさい作業です。
どこにあるか検討がつかない星を3つもサーチする作業を考えるとうんざりします。
ファインダーであわせればいいだろう?と言うと、そううまくも行きません。
ファインダーの向きと鏡筒の向きを合わせるのにはどうすればいいのでしょう?
そういった点でも、水平出しをある程度しっかりするだけで、アライメントでの星の導入がずいぶん楽になることは理解できると思います。
水平出しがほぼ合っていると、40mmのアイピースを使った場合、半分くらいの割合で最初から目標星がアイピースの視界に入ってきます。
入ってなくても少しサーチすればすぐに見つかります。
これなら、見つからない!とイライラせずに済みますね。
こんな感じでアライメントを行い、キャリブレーションが終了すればめでたくセットアップは完了です!!
\(^o^)/
ここまでおおむね、20分~30分で作業が終了します。
(2014-05-12)
お世話になります。
返信削除最近、VXを入手し使われている方のサイトを巡っていて辿り着きました。
以前はビクセンのSXWを使用していましたが、外れの架台だったようで使っている時期より入院していた時期の方が長かった様な架台でした。
そういう部分に辟易とし、買い換えましたがなかなか情報がなく困っていました。
今はワイヤレスでの操作を画策していますが、電子工作に関しては全くの門外漢で弄ると壊してしまうのではないか?という恐怖心はありますが、機材をできるだけ少なくしようと頑張ろうと考えています。
またお伺いさせていただきます。
danceingcat9316さん、こんばんは。
返信削除いやはや、こんな初心者の日記で申し訳ない(^^;
参考になれば幸いです~。
AVXのレビューは見かけるのですが、ユーザーの情報やノウハウはまだ少ないですね。
私は約1年前に星見を始めたばかりの初心者なのでまだまだ使いこなしてはいないのですが、自分なりに考えながらやってます。
私も最初は情報収集に苦労しました。
なかなか初心者向けの情報ってないんですよね。
海外のサイトばかりから情報を得てました。
そのせいか、自分で調べたことなんかをほかの人にも知ってもらう意味で、自分のやったことはできるだけ書こうと思って書いてます。
上級者から見ればとんちんかんなこと書いてたりするでしょうけど(^^;;
元ハード屋&ソフト屋なので、改造に抵抗はないのでアレコレいじってます。
海外製らしい大ざっぱな造りですけど、ハード屋にとっては解析しやすくていいんです。
ワイヤレス化いいですよ~
チャレンジしてみてください!
また、いつでもお立ち寄りください(^^)/
こんばんは(おはようございます?)
返信削除同じくAVXを最近購入したものです。大変参考になる記事をありがとうございました。
最初のアライメント時の赤道儀の挙動などは目からうろこでした。
みなさん水平出しをこだわる理由があるように思います。
自分は極望を持っていないので大雑把な水平・極軸出しはスマホのアプリで
やってみようと思います。
>ファインダーの向きと鏡筒の向きを合わせるのにはどうすればいいのでしょう?
ご存知かと思いますが望遠鏡のファインダースコープは前もって
遠方の景色(遠くの鉄塔のてっぺんなど)で出しておくと楽ですよ。
ざきさん、こんばんは。
削除いへいへ、お役に立てれば幸いです。
基本的に自分の備忘録も兼ねているので内容が偏ってますが(^_^;
ファインダーはおっしゃるとおり、鉄塔であわせればいいですね。
今はファインダー使わなくなっちゃいましたが・・・(^_^;;;;
この記事を書いた頃は、アライメントの煩雑さを解消する方法のひとつとして水平出しをしてましたが、最近は架台のたわみを抑え搭載バランスを取るためにも必要だと思ってます(^^)
考えたら、アライメントとは無縁の古いタイプの赤道儀の場合なら、赤経赤緯軸さえ合ってれば、さほど水平にこだわる必要も無かったのかもしれません。
あと、私は移動観測者なので、できるだけ毎回同じコンディションで設置できるようにそういった基準の意味もあります。何か問題が起これば原因も突き止めやすいですし。
一にも二にも安定運用が大切ですね(^_^)
ざきさんもぜひ、自己流設置のコツを掴んでみてください(^-^)/